名入れやデザインの印刷において、どのような印刷方式を利用するかというのは大切になります。素材は出来合いのものですが、それに名入れ、デザイン入れということでオリジナリティが高まってくるからです。ここでは、大きく二つに分けて考えてみましょう。
①単色(特色)で印刷する
ノベルティや同人グッズの名入れで多いのはこちらになります。サークル名とか自分で作ったキャラクターの名前を入れるという場合は1色~3色以内が多いです。特にDICやPANTONEなどの特色(指定色)である場合はこの方法になります。カラーチップや色見本の用紙を元にインクを調合して指定の色に合わせていきます。様々な色のインクを混ぜながら調合しますので職人さんの腕によって仕上がりが違う場合もあります。
メリットとしては印刷用のインキを使いますので発色が良く希望の色にほぼ近い状態で仕上がります。ベースが透明な場合でも白打ちをすることで色が透けることなくきれいな仕上がりになります。
デメリットとしては、フルカラー印刷ができないことです。また印刷方式によっては版代が高くつきますので小ロットでは金額が合わなくなることもあります。どちらかといえば中ロット~大量ロット向きになります。
主な印刷方式はシルク印刷やパッド印刷になります。シルク印刷は、シルクで出来た版の上に盛って、その上からヘラのようなもの(スキージ)でシルクを透過させます。印刷したいデザイン部分のみにインクが透過するようになっています。
パッド印刷はデザインを一旦パッド(シリコンでできたスポンジのようなもの)に転写して、それから印刷物にパッドを押し当てて印刷します。ゴルフボールやボールペン、手鏡の名入れやデザイン入れの場合はこの印刷方式が良く利用されます。版も簡単なものですのでコストも安く抑えられます。
②4色(CMYKにカラー分解したもの)で印刷する
4色で印刷できるのでフルカラー印刷になり表現力が最大限発揮されます。コストは色の再現性を上げれば上げるほど高価になりますが、最近ではコスト優先、小ロット優先になりますのでオンデマンド印刷が好まれるようになりました。
主な印刷方式はオフセット印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷、昇華転写印刷などがあります。オフセット印刷は同人向けのチラシ、パンフレットではだれもが知っているほど有名ですね。色の再現性が高くクオリティも高いので安心感があります。近年はオフセット印刷も小ロット化が進み数十枚から印刷できるようになりました
インクジェットは小ロット印刷にはなくてはならない印刷機です。こちらも低価格化がすすんで安く印刷できるようになりました。珍しい印刷方式の熱転写、昇華転写はTシャツやタオルの印刷などで主流となっています。熱転写印刷は熱転写の用紙をカラーコピー機やカラーレーザープリンタで印刷して、大型のアイロンのような機械で熱を加えてTシャツなどにデザインを転写します。また、昇華転写は昇華転写の用紙を昇華転写用のインクで印刷して、さきほどと同じく大型のアイロンのような機械を使ってデザインを転写していきます。
③その他の印刷方式
箔押し・・・ホットスタンプと呼ばれる機械で金箔や銀箔を熱で転写します。
レーザーマーキング・・・CO2などのレーザー機械を使ってデザイン上にレーザー光線を当てて焼きつけていきます。
サンドブラスト・・・ガラスのコップやグラスなどに高圧の砂粒をぶつけてデザインを表現していきます。
彫刻機・・・センターポンチのような先にダイヤモンドを付けて対象物に打ち付けてデザインをしていきます。